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物語はいつだって、挑戦者の味方をする。
そして、CaitSithは紛れもなく挑戦者であった。
彼らは数多の苦難を乗り越え、あらゆる障害を踏み潰し、私たちへ挑んできた。
で、あるのならば、私たちは超えられるべき壁であり、成長の為の糧であり、彼らの成功の礎となるべきだ。
否。
否である。
彼らにとって不運だったのは、私たちの闘争の地がマーブルであったことだろう。
『marble』
我々は冷酷無情の王。
彼らの努力を見ていた。彼らの決意を知っていた。
それでもなお、絶対的な存在として、挑戦者たるCaitSithを完膚無きまでに叩き潰す。
それが、マーブルの王であるのだと。
そうして、幾度争ったことだろうか。
レベルキャップ解放直後、レベル上げを徹底的に邪魔したことがあった。血盟王者決定戦前にも関わらず、彼らのレベル上げは難航することとなった。
エリートダンジョンにて彼らを見かけ次第PKしたこともあった。彼らはレッドスターストーンの不足から血盟ダンジョンをオールリセットできなくなった。
私たちは挑戦を受ける側でありながら、時に冷酷に、時に無情に、いつまでも彼らを阻み続けた。
それでもなお、彼らの牙は折れることなく。
CaitSithは少しづつ、強く、大きくなっていく。
気づけば、サーバー統合により、マーブルでの日々は終わりを迎えようとしていた。
2018年4月7日。
サーバー統合前の要塞戦は、残すところ二回のみ。
挑戦者と侮っていたCaitSithは、最も強大な敵として私たちの前に立ちはだかった。
マーブル における私たちの衝突は、これが最後になるだろう。
私たちは、誇りを背負い。
彼らは、高みを目指して。
マーブルサーバー最後にして最大の戦いが幕を開け、
ーーそして、閉じた。
結果は、敢えて語らないでおこう。